カーシェアリング会社が突然破産
興味深い記事を見つけました。
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20201016_02.html
概要は次の通りです。カーリース会社の斡旋を受けて自動車2台を1,000万円で購入した男性は、一度も実車を確認することなくカーリース会社に預けていました。自動車2台を購入した見返りに1台あたり50万円のバックがあり、しばらくの間はローンや自動車保険の費用に加えて1万円程度の報酬も払われていました。ところが8月末に資金繰りから支払いの延期が申し入れられ、9月も支払われなかったところ、10月に入って破産に向けた法的整理に入ったとの連絡があり、以降その会社には連絡がつかないというものです。
私は昨日以下の記事の中で、借金スタートの投資を行うべきではないと主張しています。
もしこの方と知り合いで事前に相談されていたら、このような被害は回避できただろうなと思い、残念でなりません。おそらく構図はこうです。カーリース会社は初めから自動車を販売することが目的で、自家用車として販売するには限界があるために、投資用として販売することを思いまたきました。その計画を実現するために、達成不可能な甘い収支計画を提示し、引っかかった被害者に対して自動車を販売させるという手口です。カーリース会社と自動車販売会社は同一の経営者か親近者であった考えるのが自然で、カーリース会社はニンジンをぶら下げる係です。事業を継続する限り当事者に対する支払いを続ける必要がありますので、ある程度自動車の販売を終えたのちに計画的に倒産したものと思われます。
詐欺的な仕組みで善良な人々を騙したカーリース会社の経営陣は許されるものではありませんが、このような目に遭わないためにもマネーリテラシーを身につけておくべきだと知らせてくれるニュースでした。
借金スタートの投資話は必ずと言っていいほど仮定による収入が提示されます。一方で支出の方は確定しています。収入から支出を差し引いてプラスになるでしょという論法は業者や手法に関わらず共通しています。中には節税の話まで織り込んでくる輩もおり、自分が知らないことを聞いた人は一瞬感心してしまいます。しかし、収入が仮定であることを冷静に捉える必要があります。仮定は全体が崩れるとドミノ式になくなるのです。前提が持続可能なものかどうかを見極めることが重要なのです。
この時間では、自動車を購入した見返りとしてカーシェアリング会社からバックが発生する点や自動車に興味がない人向けのサービスになぜ1台あたり500万円もする自動車を使うのかといったところで胡散臭さを感じます。
このように信憑性の低い話をしてくる輩の仮定は大体が信用できないものです。被害にあった方には一刻も早く所有する自動車を取り戻し、現金化することで被害を最小限にしていただきたいです。高級車であれば購入金額に近いところで売却できるでしょうから、これが唯一の救いです。
甘い話には疑ってかかる、このことを肝に銘じて日々を送りましょう。明日は我が身にならないよう、私自身も気をつけたいと思います。捜査機関に対してはカーシェアリング会社と販売会社の関係を探し出し、刑事訴追にかけていただきたいと思います。
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