金融緩和バブル崩壊よりも困ること
一昨日、アメリカの長期金利上昇を嫌ってアメリカ株が大きく落とし、その流れを受けて昨日は日本の株式相場も大きく落としました。ニュースではちらほらバブル崩壊だという報道があったり、上げ続けたからちょっとした調整だという意見を見かけます。
そもそも長期金利とは
長期金利とは10年ものの国債の利回りのことを示しています。国債は満期になれば額面金額を受け取ることができますが、利子の受け取り方は2種類あります。額面金額で発売し定期的に利子を受け取ることができるものと、額面金額より安く発売して満期になれば元利を受け取れるものです。発売時の利回りは発行主体である国が決めることになりますが、発売後は自由に売買できるために、株と同じように値段が上がったり下がったりします。しかし、保有期間中や満期時に受け取れる金額はあらかじめ決まっているわけですから、価格が変動するということは利率が変動するということになります。こうして長期金利はマーケットによって変動します。
長期金利が上がる意味合い
長期金利が上がったというのは国とか中央銀行が決めているわけではなくて、マーケット参加者によって決定されています。金利が上がるということは、受け取れる利子が増えるということですので、以前より安く買える状況になったということです。ということは、買いたい人よりも売りたい人の方が多い状況であると読み取ることができます。
国債は低リスク資産と解釈されていますから、国債の人気がなくなっていっているということは、金融引き締めによる通貨の量が減っている場合を除いては、よりハイリスクの資産にお金が流れているということを意味しています。今回の報道を受けて最近の長期金利の状況を確認してみたところ、確かに急上昇していました。

市場参加者のマインドがリスクオンになったの結果、株価のみならずビットコイン等のバブル的な価格上昇を招いた一方で、長期金利がじわじわ上昇を続けていたと考えて良いと思います。
長期金利上昇のその先
長期金利が急激に上昇すると、通常は短期金利>長期金利となっている関係性が崩れてきて、インフレの予兆であるとも言われています。短期金利<長期金利の状態になったことを逆イールドと呼びますので、逆イールドというキーワードをニュースで見たらインフレサインがつきましたよという意味合いであることが多いです。このため、中央銀行は短期金利を上げることによって安定化をはかります。短期金利が上昇すると我々のような投資家は低リスクの運用先が増えることになりますので嬉しいのですが、企業や事業家は運転資金の調達コストが上昇することになります。
今回、金融当局者の長期金利上昇を容認する発言があり、短期金利上昇の憶測が大勢となって株価下落の要因となったようです。このように、市場参加者が短期金利が上がるかも?と思ったら株価は下がることが多いのです。
バブル崩壊だとして、どう捉えるか?
私はリスク資産の多くをインデックス投資に回しており、運用期間もこの先20年以上を考えていますので、むしろ早く暴落してほしいと考えています。昨年のコロナショックの際は直近の最高値から30%落ちたところから確定拠出年金は債権から株式へのスイッチングを週次で行い始め、投資信託は日次で買い注文を出していました。もう少し長く低い水準で続いてくれることを期待していたのですが、思いの外早く戻ってきてしまい、約1ヶ月後には買い増しは終了した経緯があります。
現在がバブルであったとして、近い将来に崩壊してくれれば、安く買えるので私にとってはラッキーです。しかし、今年に入って始めた現物株ではダメージが出るかもしれません。ただ、資産総額の3%を切っていますし、リスク資産の中の比率も10%程度になっていますので、現物株のダメージよりもインデックス投資に対する長期的なメリットの方が大きいと考えています。10年で10億は遠ざかるかもしれませんが、先が読める投資を今安くできる方が嬉しいです。
では何が困るのか
それは、長期金利が上昇することによる住宅ローンの利払いです。バブルが崩壊するかしないかにかかわらず、困ります。オチが普通ですみません!!当面大きな金利上昇はないものと考えていましたので、ここまで急激に上がると困ることになります。実際に、大手行が住宅ローン金利の引き上げを発表していますので、その他の銀行も追随してくると思われます。
まぁ、あまり心配しても仕方がないので上がったあとに考えますが、おそらく繰上げ返済などは実施せずに現状のバランスを維持する形に落ち着くと思っています。
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