一般口座と特定口座
先日、「投資口座の開設は楽天証券で」という記事を書きました。今日は講座の種類について取り上げますが、結論を先に申し上げますと[つみたてNISA]口座を開設してから取引に入りましょう。今回はNISAには細かく触れませんが、NISAには種類によって40万円、80万円、120万円といった年間投資可能枠がセットされています。その枠をはみ出る部分について、それぞれのメリットデメリットを把握していただき、取引に役立てていただければと思います。
多くの証券会社では口座開設時に特定口座を開設するかどうかを選ぶことができます。口座を開設するだけであれば使わなくても良いですので、迷わず特定口座も開設しましょう。源泉徴収のありなしについては後ほど解説します。
一般口座は取引で発生した利益や損失を自分で計算して、税務署に確定申告を行う必要があります。確定申告するだけでもやや面倒なのに、その計算までしないといけないのは非常に面倒です。ただし、私のようなサラリーマンはメインである給与所得以外の所得が年間20万円を下回る場合はその他の所得を申告しないでも良いというルールがあります。ですので、年間20万円までなら非課税にすることができます。
特定口座は一般口座と違って、損益の計算を証券会社がやってくれて年間取引報告書なるものを作成してくれます。そして発生した損益に対する税金は、源泉徴収してもらうことも可能です。源泉徴収ありの特定口座は利益がいくら出ても確定申告を行う必要はありません。源泉徴収なしの特定口座は一般口座と同様に20万円超の利益が発生している場合には確定申告せずに課税を免れることができます。
ここで考慮しておくべきことは、インデックス投資において、いつ利益が発生するか?です。タイミングは2つあります。
- 配当があったとき
- 所有する投信を売却したとき(解散したときも含む)
多くのインデックス投資信託では配当による課税を嫌い、配当しない方針のものが多いため、現実的には売却したときを考えておく必要があります。毎月1万円を20年間積み立てたとしても、おそらく20年後の含み益は20万円を超えていることになります。黙っていれば税務署も気が付かないかもしれませんが、特定口座ではご丁寧に証券会社が税務署に年間取引報告書を提出します。一般口座であってもマイナンバーから探せばすぐに個人を紐づけることができます。現時点では少額であれば税務署が気づかずに済むこともあろうかと思いますが、20年後に様々な情報が自動的に処理されるようになっている可能性は高いと思います。ここは素直に源泉徴収ありの特定口座にしておくのが得策です。
特に重要なのは、一般口座と特定口座の資産は移動できないというところにあります。特定口座の源泉徴収ありなしは1年ごとに変更可能ですが、最初に一般口座で購入したものはあとから特定口座に移すことはできません。必ず特定口座で取引するように心がけましょう。
なお、源泉徴収ありの特定口座にしておいて、年間利益が20万円を切っている場合に源泉徴収された税金を取り戻せるかというと、そうではありません。一般口座や源泉徴収なし特定口座における20万円までの非課税については、あくまでも「申告しなくても良い」という権利であって、実は非課税ということではありません。このため、自動的に証券会社が納税した分について、あとから申告してませんでしたという申告を個人で行うことができないため、取り戻せません。
このため、ちょくちょく配当がある場合はあえて源泉徴収なしにしておいて、確定申告をしないという選択肢もありです。
一般口座では発生した利益に対して概ね20%課税されますが、これはあくまでも所得税です。約10%分の住民税が別途発生します。特定口座であれば住民税が免除される制度がありますし、源泉徴収ありにしておけば確定申告に含める必要がありませんので、当然ながら課税もされません。
NISAに収まらない金額については、特定口座で取引し源泉徴収はありにしておきましょう。
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