ワクチン接種で自治体がお困りのようです

コロナウィルスのワクチン接種で国は優先順位を決めました。医療関係者から初めて、リスクが高いとされる高齢者、一般人の順番です。個人的には医療関係者の次に社会活動を維持するためのエッセンシャルワーカーと呼ばれる集団を先に回してもらいたいところですが、国の方針には一定の合理性があります。

優先的に扱う医療関係者や高齢者の割り当て分も全量が一度に入ってくるわけではありませんので、その配分を人口比にすると数週間前に報道がありました。国から直接見えているのは自治体ですので、人口比で配分するというのは一定の合理性があると思いますが、その結果横浜市に配分される初回のワクチンが数百人分となったようです。

そうすると、今度は配分される数量が決定した自治体で、優先されている医療関係者や高齢者のうちの誰を優先しようかという話になってきて、その判断に苦慮しているとのことです。あとから聞けば、そりゃそうだろうと思うのですが、私のような凡人では最初の報道で気がつかなったこの事態も、キャリア組官僚集団が気付かないはずがないと思うのです。

中央省庁や役所は、基本的には決められたルール(法律・法令等)に従って、ミスなく仕事を推進する集団です。したがって、中央省庁からすると自治体からのクレームにならないように進めるのが当然で、その結果、後で自治体が配分に困ろうとも、自治体間では公平に取り扱っていますよとしたものではないかと勝手に考えています。

しかし、自治体間の公平性よりも重視すべきことは、日本全体でどれだけ効果的にワクチン摂取を進めるかという観点ではないかと私は思うのです。そのために、最初に医療従事者というのは理解できます。次に高齢者というのは私は異論がありますが、理解に苦しむほどではなく、合理性はあると思っています。ただ、地域によって感染率の高いところ低いところとあるわけですから、私であればまず首都圏から始めてその後に、関西圏、札幌、仙台、名古屋、福岡あたりに優先的に回したいと考えます。なぜなら都道府県単位でみても比較的感染率が低い地域で、県庁所在地から離れているような田舎ではコミュニティに出入りする人物も限られていますので、そのような地域に数限りあるワクチンを回すのは効率が悪いためです。それなら、感染率の高いエリアに集中的に投下した方が全体として効率が良いですし、割り当てのない自治体も割り当てのある自治体も誰に回すかを悩まなくて済みます。

今からでも遅くないと思うので、是非運用の見直しを行っていただきたいですね。