ビットコイン急騰が環境へ悪影響を与える!?
こちらの記事について思うことを綴ります。
なかなか衝撃的なタイトルですよね。ビットコインが急騰したら環境に悪影響がでるとのことです。今まで株価が上がったから環境に悪影響が出るとか、債券価格とか金利の変動で環境に影響が出ると言った話は聞いたことがなかったので、ビットコインのせいで環境に悪影響が出るというタイトルを見かけて、ほほぉ〜と思いました。
本題に行く前ですが、Bank of AmericaのことをBofAって略するんですね。大昔にとある金融サービスの会社で仕事をしたことがあり、その時はBOAとかバンカメって呼んでいたので、個人的には違和感を覚えました。英語ネイティブの人だと、ボォファとか発音するんでしょうかね。原文の方ではBofAという略語は出てきませんでしたので、日本語版の記事だけなのかもしれません。
Bank of Americaが出している元レポートはどうやらBloombergの有料情報サービスに加入していないと読めないみたいなので未確認ですが、この記事では次のように述べています。

ビットコインで採用しているブロックチェーンという技術は複数の参加者全員が同じ取引情報を改竄不可能な状態で整合性を保った形で保存しているそうです。この整合性を保つため(マイニング)に大量のコンピュータが稼働しているので、コンピュータが消費する電力の上昇によってちょっとした先進国くらいのCO2の排出があったという内容です。この文面には載っていないのですが、暗に環境破壊につながるからビットコインの拡大はやばいよって言いたいのかなと思いました。
しかし、この記事には致命的な欠陥があります。それは、ビットコインの急騰によって電力消費が伸びるわけではないということです。ブロックチェーンは確かに大量のコンピュータを使う必要があるらしいのですが、何に対して連動するかとういと処理する情報量、すなわち取引量に連動します。ですから、急騰したからだけではなく、急落しても同じことが起きるんですよね。
また、マイニングを行うためのコンピュータは冷却用のエアコンがなくても良いような北極圏に近いところに多いということも聞いたことがありますし、再生エネルギーで運用されているかもしれないですよね。ですから、消費電力が多いのは間違いないと思うのですが、CO2排出のところは記事にするならもう少し根拠も出してほしいな思うのです。まぁ、あながち間違いでもないかなという情報も聞いたことがあって、電力料金の安い中国で大量に稼働しているということも聞いたことがあります。結局のところ、どうなのかは私のような個人では判断できないですね。
ただ、元ネタがレガシイ系金融からですから、ビットコインが台頭すると困るという背景が見え隠れしてきます。この記事を読んだ時の感想は、「ふーん、だから何やねん」でした。ビットコインの取引量が多くなると(急騰すると?)環境破壊につながってヤバいよ!って声をあげて、みんなが「じゃぁ取引するのやーめた」ってなればシメシメなんでしょうが、どう考えてもそうはならないですよね。ビットコインに関わっている人の中にも環境問題に関心がある人はいるかと思いますが、基本的には値上がり益を追求している人達ですから、「取引やめれば儲かるよ!」なら乗ってくる人も出てくると思いますが、「取引やめれば環境が保護できるよ!」っていうのは動機にならないです。
最近だと、自動車の電動化でも似たような構図があって、従来からの自動車メーカーと新興の電動自動車メーカーで言い分が違っていて、それぞれの言い分がいろんなメディアで露出するようになってきています。いつの時代も変革が起こる時っていうのは、守る側と攻める側の攻防があるわけですから、こういう情報から潮目がどちらに向いているのかを的確に読み解けるようになっていきたいですね。
私はビットコインの勢いを銀行が止めることはできないと思っていますが、投資対象としては今のところ考えていないです。なぜなら通貨(?)でしかないからです。通貨自体が価値を生むわけではなくて、取引によって変動する価格上昇を期待するかどうかですが、それはゼロサムゲームですから投資価値として魅力を感じません。今のところですけどね、、、
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