【読書感想文】世界を見てきた投資のプロが新入社員にこっそり教えている驚くほどシンプルで一生使える投資の極意
プライムリーディングでこちらの書籍が対象になっていましたので、読んでみました。
日本人の金融リテラシーが低い理由
現役世代の親世代が育った頃と環境が異なり、預貯金志向を刷り込まれているために、時代背景に適した金融リテラシーが育成できていないと指摘されており、全くの同感です。私もこのブログを始めたきっかけは、私が中年になるまで気がつかなかったお金にまつわる知識を広めていきたいと思ったからです。もっと早い頃に気がついていれば、今頃はもっと資産が形成できたと思いますが、時間は戻せませんので、少しでも多くの人に共有してお金の悩みから解放される人が増えると幸いです。投資話とかは、なかなか他人とはしづらい文化の日本ですが、インターネットの力があれば私も少しは役に立てるかなと思っています。
また金融先進国であるアメリカの考え方を日本にそのまま持ってきても通用しないという主張がありましたが、この点は完全には理解できていませんが、アメリカ人がアメリカ国内で投資することはグローバル分散投資していることに仁いいという点で、日本人が日本国内に投資しても分散できていないし、世界と比べて成長性も低かったこの30年くらいの間にだいぶ遅れをとったということはよく知られています。
投資とは
投資とはお金を増やすための手段ではなくて、自分や社会全体がより良くなるための支出であるというようなニュアンスでの説明がありました。その結果として、豊かになった後の利益の一部が還元されてくるものであり、宝くじなんかを含むギャンブルとは全く違うものであると述べています。バンガードの創立者であるヴォーグルさんも似たようなことをおっしゃていたことを思い出しました。
色々なスタンスの投資家がいるかと思いますが、私はこの考え方に近いので、改めてなるほどなと思わされました。ついつい毎日株価をチェックしたり、相場の上げ下げに一喜一憂してしまいがちですが、分散された株式インデックスなどは基本的に右肩上がりになっていくので、投資していることを忘れるくらいの方が良いというのは確かにそのとおりかもしれないです。
ただ、個別株では下がった後永久に戻ってこなかったり、上場廃止になって取引できなくなったりしますので、使い分けは必要そうです。
いわゆる株とか不動産とかの投資とは少し話がそれますが、街中での買い物も投資であると筆者は述べています。お金を使うことによってその産業が潤い、自分の満足度も向上するということは、全体が豊かになっていくという意味で投資であると。私は妻が美容にお金をかけているのを横目に見ながら、もうちょっと節約してくれたらなとか思ったりもしますが、そのことで妻の満足度が上がるのならまぁいいかと思っていました。この辺りを読んだときに、点と点が線で繋がったような感覚になりました。
人的資産という考え方
投資先は分散した方が良いという通説ですが、金融資産だけではなくて、人的資産も考えて分散しましょうと述べています。人的資産とは本業で稼げる可能性のことで、自己投資という言葉もあるように能力や経験によって増やすことができる、将来手にすることができる価値を考慮しておきましょうということです。
ポートフォリオなんかを考えるときに、ついつい購入している商品の割合だけを見てしまいがちですが、自分が稼ぐ能力を入れた時にどういうバランスになっていて、どこに分散するべきかを考えましょうということです。
これはちょっと私の脳では理解が難しかったですが、結論として日本に偏りすぎず国外の金融資産への投資を増やしましょうということになっていましたので、結果オーライでした。
インデックスファンドvsアクティブファンド
長期で見た時に多くのアクティブファンドがインデックスファンドよりリターンが劣るという事実は、他の書籍等でもはいけんしたことがありますが、同じような説明がなされていました。その上で、ではアクティブファンドが不要か?というと、そうではなくアクティブファンドがないと困るので、皆さんも慣れてきたらちょっとずつ買っていきましょうと。そのためには良いファンドマネージャーを見つけましょう。そうすることでインデックスファンドよりも良いリターンが期待できると主張されています。
確かにおっしゃるとおりだと思いますが、私のような素人がファンドマネージャーの良し悪しなど判断できませんので、私はアクティブファンドには手を出さないと決意を強めました。
良いファンドマネージャーの見つけ方
残念ながら、触れられていませんでした。良いファンドマネージャーはこういう価値観を持っているはずだというポイントは述べられているのですが、実際問題探す方法ってないような気がします。運用報告書とか目論見書読んだりするくらいで、そこまで見抜けるかというと難しいですよね。
金融業界で仕事をしている人ならできるかもしれないですが、私は関係ない産業に従事していますので、ポイントはわかってもその人を探すのは無理かなと思いました。
まとめ
この書籍を読んでみて、一番共感できたのは特に若いうちは人的資産を伸ばすことをがんばりましょうというところでした。もし年収が100万円上がれば、あと20年働くとしても2,000万円の稼ぎですから、このリターンを金融商品で得ることもそう簡単ではありません。資金があれば簡単でしょうが、多くの人は最初から資金があるわけではありませんし、私自身もそうでした。ですから、特に若い人ほど、本業を伸ばすことは重要だという点は完全に意見が一致しました。私も今となっては中年で同年代の中では割と良い稼ぎになったかと思っていますが、それは自分自身の努力だけではなくて、周囲にいた人の助けがあったり、運が良かったりということも重なっての結果だと思っています。
実は私も、自分の子供が社会に出る頃になるまでには必ず伝えておきたいことの1つとして、本業での稼ぎを増やせというものがあります。どんなに頑張っても、運が悪かったりで結果がついてこないこともあるかとは思いますが、だったら何が足りなくて結果出ないのかと考えてみたり、状況を変えるために何ができるかを考えてみることは大切だなと思います。
40代になって、社会人生活も折り返し地点です。でもまだ半分も残っていると思うと、今まで成長してきた分と同じくらいは残り半分でも成長したいなと思いますね。20代の頃のような自由時間はもうありませんから、やり方は考えないと行けなさそうですが、残り半分も頑張って金融資産だけでなくて人的資産も形成していきたいなと思った良書でした。
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