給与デジタル払いの狙いと展望

年始ごろでしたでしょうか?給与の支払いになんちゃらペイを使っても良いようにするというニュースを見かけ始めるようになりました。私としては、給与の受け取りは当然銀行振り込みで、なんら困ることはないですし、なんちゃらペイでもらいたい思ったこともありませんので、ふーんと流し見していました。大抵の人は、今の銀行振り込みで困ってないと思いますし、私と同じような感覚ではないかと思います。

しかし、この給与デジタル払いを進めようとしている、普通の会社員の給与受け取りをデジタル化しようというわけではないようなのです。難しいことはこちらの資料にいろいろ書いてありますが、要は少数派だけど困っている人たちの利便性向上や救済の狙いを持っているようなのです。

具体的には、銀行口座を持っていない人が現金以外で受け取る手段、及び非正規労働者を中心としてスピーディーな支払いをすることが目的のようです。なんとなくなんちゃらペイの人達が政府の裏で物事を動かしている気はしますが、表向きはこういうことのようです。確かに、外国人の方がガッツリ日本語だらけの中銀行口座を作るのって、一苦労だと思いますし、アルバイトしてる学生さんとかでもう少し細かい期間で給料を受け取りたかったりする人もいるような気はしますね。

これを進めるにあたって、なんちゃらペイが使えないところもいっぱいあるものですから、現金化できるようにしていくということのようです。また、給与を受け取ってプールするには心許ないので保証会社を通じて補償を提供するという計画もあるようです。

ここまでくると、一般消費者目線でいくと銀行と何が違うんだろう?ってなりますよね。金貸業と代払い業の違いはあるものの、ユーザからはわかりにくいです。昔、とある人事の人から聞いたことがあるのですが、給料の振り込みをしようとすると、その2週間ほど前に金額を確定しておかないといけないって聞いたことがあります。ですから、アルバイトみたいに支払額が最後まで確定しない仕事だと、どうしてもある程度遅延してしまうのは、仕方がないことという話でした。ですから、すぐに払いたい(もらいたい)場合は現金しか手段がないってことです。手数料がなんちゃらペイより高いのは、銀行のシステムが非常に堅牢にできているので、ちょっと流行ったくらいですぐに止まったりしたなんちゃらペイとは金のかかり具合が全然違うからですね。

とはいえ、全銀の送金手数料も下がってきたことですし、昔は15時過ぎたら翌日だったのも、今は24時間対応できるようになりましたから、外国人の方の受け皿になる銀行の英語対応、振り込み手数料を抑えたり振込額確定日を近くすることで銀行でも十分にカバー出来るんじゃないかなとか思ってしまいます。銀行がこの領域をやりたいかどうかは知りませんけど。

何はともあれ、給料のなんちゃらペイ払いは、現状できません。給料は原則通過で支払う必要があると法律で決まっているからです。それをなんちゃらペイポイントで払っても良いよってことにしようとしているのが今の流れですね。

しかし、ある程度残高が保証されるようになって、現金化もできて、気軽に使えるようになると、悪用する輩が出てきそうですから、マネーロンダリング対策なんかも考え始めているみたいです。そうすると、もともとお手軽だったなんちゃらペイはどんどん肥満になっていき、最終的に使うメリットあるのか?みたいなことになっていくような気がしてきました。

もともと、バーコード決済は通貨があまり信用されていない中国で、ATMなんかの普及率も低い中、スマホ1本で簡単に現金を取り扱わずに決済できるので便利で信用できるということで普及していきました。支払いで私た現金が偽物だから受け取れないとかいうことも日常茶飯事だったみたいです。また、アメリカではいまだに小切手も使われていますし、クレジット、デビット決済が中心ですからもともとキャッシュレスでした。カードの代わりにタッチレス決済が普及することはあっても、使い勝手の悪いバーコード決済は全く普及していません。

日本においては、通貨の信用度は高い方だと思いますし、クレジットカードで決済できないお店も随分と減ってきましたので、これ以上なんちゃらペイを進めるよりも、銀行を使い勝手の良い場所にしたほうがいろんな意味で幸せな気がします。